秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ

Re: 筋電計の回路シミュレーション - chy_farm

2012/05/19 (Sat) 09:17

inara1様
ご教示お待ちいたしておりました!
inara1様がTINAもPSpiceもお使いになられるとは考えませんでしたので、まずはご
無礼をお許し下さい。
このようにPSpiceでシミュレーションしていただきありがとうございます。早速、
頂いたデータで同じように試みてみます。
TINAの方のGNDが浮いている件、あれから元の図面を良く見ていたら気が付き、そ
れでご教示がいただけるかも知れないとお待ちしておりました。これも早速試みて
みます。

TINAで信号源を使うときのことでご教示いただきたいことがあります。

質問1:
例えば、TINAの「Example」フォルダから「Filters_FilterPro」を開きますと、
「Sallen-Key 5th Order Bessel LPF.TSC」というサンプル回路があります。この
回路の信号源を見ますと、直列に電源が接続されています。
わたくしの描いた簡単なLPFで信号源に電源をつながなかったらシミュレーション
出来ませんでしたが、同じ回路に電源をつないだら出来ました。
頂いたinara1様のPSpiceの回路の信号源には電源がつないでありませんが、これは
PSpiceとTINAの仕様の違いでしょうか?それともわたくしがまだ知らない点が在る
ためでしょうか?

質問2:
「Sallen-Key 5th Order Bessel LPF.TSC」というサンプル回路では、信号源の振
幅が2Vで、これに接続した電源がプラスに2.5Vオフセットされています。このよう
なオフセットされたサイン波を信号源に使用するのにはどのような訳があるので
しょうか?



Re: 筋電計の回路シミュレーション - inara1

2012/05/19 (Sat) 13:30

質問1
信号源に電源がつながっているのは、オペアンプを片電源で動作させている(オペ
アンプの電源端子の-側をGNDにしている)からです。オペアンプを片電源で動作
させると、オペアンプの動作範囲はGNDから+電源電圧までとなるので、動作点(入
力信号がないときのオペアンプの入力電圧)をその範囲の中央付近(5V電源なら2.
5V)にします。そのために、信号源に2.5VのDC電圧を重畳させているわけです。、
信号源にDC電圧を重畳させないと、入力信号が負電圧になることがありますが、オ
ペアンプの電源が片電源だと負電圧が入力されたとき正常動作しなくなります。

私が紹介した回路では、電源電圧を±電源(両電源)として、動作点をGNDにして
いるので、信号源にDC電圧を加える必要はありません。「Sallen-Key 5th Order
Bessel LPF.TSC」も、添付図のように両電源で動作させれば、信号源にDC電圧を重
畳させる必要はありません。

Re: 筋電計の回路シミュレーション - chy_farm

2012/05/20 (Sun) 08:08

inara1様
こんなにご教示いただきありがとうございます。
基本的なところでつまづいたままで、困っております。TINAの方ですが、AC伝達特性のグラフを表示仕様とすると、添付のように「動作点が見つかりません。Componet:U1.DC」というメッセージが出ます。「動作点」というものを検索で調べましたが、ネット上にも、ヘルプにもありませんでした。
TIのページに「ループのゲインを計算するには?」という解説がありましたので、
http://www.tij.co.jp/analog/jp/docs/gencontent.tsp?familyId=02&genContentId=33361#g5
信号源の前後に電圧pinを挿入しました。
それでもこんどは「部品、パラメータが設定されていない」と出てしまいます。
inara1様はどのようにしてこの点を解決しておられるのでしょうか?

Re: 筋電計の回路シミュレーション - chy_farm

2012/05/20 (Sun) 10:54

inara1様
ありがとうございます。
バージョンは
9.3.50.40 SF-TI
です。
AC解析は、頂いた添付図のようになっております。

全体を添付致しますのでよろしくお願いいたします。

なお、LTSpice_IVで同じものを組みましたら、ご教示頂いた解析が出来ました。

Re: 筋電計の回路シミュレーション - chy_farm

2012/05/20 (Sun) 11:04

inara1様

LTSpice_IVで同じものの解析を添付いたします。

Re: 筋電計の回路シミュレーション - inara1

2012/05/20 (Sun) 12:28

U2(INA129E)の電源端子の±が逆じゃないでしょうか。画像が不鮮明でよく見え
ませんが、こちらのTina-TIのINA129Eの記号は、Ref端子のある側が電源端子の+
側になっています。

VG1とU1の間にあるのは伝送線路でしょうか。解析できない原因の1つはこれでは
ないでしょうか。以前、Ok-waveの質問
(http://sanwa.okwave.jp/qa7341202.html)の伝送遠路を含む回路のシミュレー
ション(LT-Spice)の回答で同様の現象が起こりました(回答ANo.1)。LT-Spice
の伝送線路の記号を見ると内部がつながっているように見えますが、実は入出力は
電気的に絶縁されています。そのため、左側のVG1が電気的に浮いていると、
LT-Spiceではノードが浮いているというエラーが出てシミュレーションできません
でした。 chy_farmさんの回路図ではVG1にはVF1とVF2があるのみで電気的に浮いて
いるように見えます。

Tina-TIの伝送線路のモデルがどこにあるのか分からないのでこちらで実験できま
せんでしたが、伝送線路を外すか、あるいは、VG1の一端とGND間に高抵抗(10MΩ
など)を入れてシミュレーションしてみてはてはいかがでしょうか。非常に短いパ
ルスの遅延時間とか反射が問題となるときには伝送線路を考慮しなければなりませ
んが、筋電計では扱う周波数が非常に小さいので、伝送線路は不要かと思います。

また、回路シミュレータの電源は何も設定していなければ理想電源(出力インピー
ダンスがゼロ)なので、電源のバイパスコンデンサ(C4とC5)を入れても、その効
果は結果に出てきません。

なお、回路図の配線の途中に表示されている×印は、不要なら、メニューの表示→
Pin Markersを選ぶと消えます(こちらは英語表示のTina-TIなのでPin Markersで
はないかもしれませんが)。

ところでLT1167はどうやって組み込んだのですか?こちらでimportしてみましたが
うかくできませんでした。そのためこちらでは代わりにINA128を使いました。
chy_farmさんはLT-Spiceも使えるんですね。LT-Spiceにはリニアテクノロジ社のデ
バイスは当然入ってますから簡単ですね。LT-Spiceはモデル組み込みは簡単なので
すが、Tina-TIは経験不足でうまくいきません。

Re: 筋電計の回路シミュレーション - chy_farm

2012/05/20 (Sun) 17:11

inara1様
たいへんお世話になります。

>U2(INA129E)の電源端子の±が逆じゃないでしょうか。

まったくその通りでした。逆接していて直したら解析できました。ありがとうございます。

>非常に短いパルスの遅延時間とか反射が問題となるときには伝送線路を考慮しなければなりませんが、筋電計では扱う周波数が非常に小さいので、伝送線路は不要

ご教示ありがとうございます。この伝送線路はシールド線が探せなかったので、質問するために形だけ間に合わせに書き込んだだけでシミュレーションには何の役にも立っておりません。そういうこともあらかじめ書き込んでおけば余計なご配慮をさせずに済んだのに失礼いたしました。
しかし、ご教示が有り難い結果になりました。
「非常に短いパルスの遅延時間とか反射が問題となるときには伝送線路を考慮」ということは、time domain reflectometryなどのシミュレーションの時には必要ということですね。しばらくしたらそれも試みたいと考えておりましたので、有り難いご教示でした。

>回路シミュレータの電源は何も設定していなければ理想電源(出力インピーダンスがゼロ)なので、電源のバイパスコンデンサ(C4とC5)を入れても、その効果は結果に出てきません。

これも有り難いご教示でした。

>LT1167はどうやって組み込んだのですか?

これはまた説明不足で失礼いたしました。inara1様に添付の画像をお送りいただく前、TINAしか試しておりませんでした。それでTI社取り説からINA129EとPA2131が、LT社のLT1167とLT1112に近いことを知り、シミュレーションはTI社のINA129EとPA2131で行い、結果からLT社のLT1167とLT1112の動作をだいたい知ることが出来る、と考えました。
質問を出した後で、inara1様のご教示でLT_Spiceも可能と知り頂いた図を見ながら作りました。本当におかげさまです!

これからもう一度ご教示いただいたものを読み直して復習します。OK_waveの方へもご教示いただきありがとうございます。こちらがやっと解ってきたので、あちらのご教示を拝見いたします。
またよろしくお願いいたします。

Re: 筋電計の回路シミュレーション - inara1

2012/05/20 (Sun) 17:36

>逆接していて直したら解析できました
原因はそれだけでしたか。シミュレーションできて良かったですね。

LT1112とLT1167は私がよく行く秋葉原の秋月に売ってますが少し高価ですね。特性はなかなか良さそうですが。

Ok-Waveの質問では雑音について説明しました(あのカテゴリでは回答はつかないと思います)。抵抗は一般的なカーボン抵抗よりも金属皮膜抵抗や金属箔抵抗が熱雑音が小さいようです。

筋電位測定は雑音が気になるようなレベルの電圧測定なのですか。私はそのような微小電圧測定の経験に乏しいですが、電源電圧の安定性(ノイズ)や入力信号のシールドに気を配る必要があるかと思います。

うまく測定できなかったらまた質問してください。