秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ

半導体レーザのAPC駆動(2) - inara1

2012/02/11 (Sat) 12:56

秋月で売っている赤色レーザ(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-01330/)をAPC駆動する回路です。このレーザは手元にないので動作確認していません。レーザ(LD)とフォトダイオード(PD)のカソードが共通になっているため、PDをゼロバイアスで動作させます。PDに接続されているのは抵抗(R3)だけで外部から電圧をかけていません。レーザの光出力に比例した電流がPDから流れ出しますが、その電流をR3に流すことで光電流を電圧に変換しています(R3の電圧[V} = モニタ電流[A]×R3の抵抗値[Ω] )。レーザの光出力が大きいほどR3の電圧が大きくなります。しかし、R3の電圧がPDの立上がり電圧(約0.6V)を超えると、PDが順バイアスされてしまい、光出力に比例した電圧が出てこなくなるので、R3の抵抗値を1kΩと小さくしています(0.2mAのモニタ電流で0.2Vの電圧<PDの立上がり電圧)。

半固定抵抗(VR)の2pinの電圧と、R3の電圧が等しくなるようにオペアンプ(LM358)がレーザに流す電流を調整します。したがって、半固定抵抗の2pinの電圧の最大値も0.25V程度になるようにR2の抵抗値を大きくしています。TL431は基準電圧発生器で、回路図のように、基準電圧端子(R)とカソード(C)を直結すると、カソード(C)とアノード(A)間に2.5Vの電圧が発生します(電源電圧が多少変動してもこの電圧は一定)。その電圧をR2とVRで分圧して、レーザを駆動するための基準電圧としています。この基準電圧とR3の電圧が等しくなるようにレーザに流す電流が調整されているので、レーザの光出力が一定に保持されます。

レーザを駆動するために2つのトランジスタ(2SC1815と2SA1015)を使っていますが、これは、オペアンプの出力が0V付近のとき(オペアンプが動作していないとき)にレーザに過大電流が流れないようにするためです(2SA1015だけで駆動するとオペアンプの出力が0V付近のときにトランジスタがON状態になってしまう)。2SC1815と2SA1015の端子配置は同じです。2SA1015も秋月電商で売っています。

LM358は2回路入りのオペアンプなので、余った1個をバッファとして、光出力のモニタに使っています(GNDと7pin間の電圧を測定することで光出力の概略値がわかる)。なお、C3はオペアンプを安定動作させるためのものです(これがないとオペアンプが発振する)。C2はバイパスコンデンサですが、オペアンプの端子近くに最短距離で配線してください。