秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ
最小絶対値選択回路 - inara1
2011/12/12 (Mon) 18:56
2つの入力信号を絶対値回路(U1とU2、U7とU8)に通し、その2つの絶対値信号の最
少値を選ぶ回路(U3とU9)を作ります。U3とU9のうち、最少でないほうのオペアン
プの出力は正の電源電圧(Vcc)近くにまで飽和し、最少のほうのオペアンプの出
力は最少値+0.6Vになります。したがって、オペアンプの出力電圧がVcc付近にある
かどうかを検出して、Vcc付近未満のほうのオペアンプの出力だけをアナログス
イッチ(U6とU12)で選択して、2つの入力信号の一方だけをU13を通して出力すれ
ば、絶対値が小さいほうの信号が出力されることになります。
オペアンプの出力電圧がVcc付近にあるかどうかを検出しているのが、U4とU10で、
非反転入力端子(+)に、Vccより少し低い電圧で、入力信号の最大値よりも大き
い電圧Vref(Vcc=15Vのときは12V)を与えて、これとオペアンプの出力電圧とを比
較すると、オペアンプの出力電圧がVcc付近にまで大きくなったときだけ、U4また
はU10の出力が負電源電圧(Vee)に下がります(それ以外のときはVcc-1.5Vくらい
の電圧が出ている)。アナログスイッチ(CD4066B)のコントロール端子に、Veeよ
り5V以上高い電圧を加えると、スイッチが導通するので、オペアンプの出力電圧が
Vcc付近にまで大きくなったときはアナログスイッチがOFFで、オペアンプの出力電
圧がVref未満のときはアナログスイッチがONになります。このようにすれば、アナ
ログスイッチを通る信号は、常に絶対値が小さいほうの入力信号になります。
アナログスイッチの出力側の抵抗(R8とR9)は、何らかの原因で両方のアナログス
イッチがONになったときに、2つのオペアンプ(U5とU11)の出力が直接つながらな
いようにするためのものです(通常はどちらか一方のアナログスイッチしかONにな
りません)。アナログスイッチの入力信号はR8またはR9を通ってオペアンプ
(U13)に入力されますが、オペアンプの入力インピーダンスは非常に大きいの
で、直列に抵抗が入っても誤差はほとんど生じません(アナログスイッチのON抵抗
も数百Ωある)。