秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ

trの理想SW - ok-909

2014/06/22 (Sun) 23:39

添付波形の動作はbaseがoffした後、
コレクタ電圧は一旦マイナス電圧まで落ち、その後、電源電圧まで上昇します。

baseがoffしたらできる限り早くコレクタ電圧を上げたいのですが、その方法を教
えてください。

Re: trの理想SW - inara1

2014/06/23 (Mon) 17:58

添付の回路ではベース抵抗が1Ωとなっていますがこれは低すぎます。1Ωだとベー
ス電流が数Aも流れてしまいます。2SC5824のデータシート
http://rohmfs.rohm.com/jp/products/databook/datasheet/discrete/transistor/
bipolar/2sc5824-j.pdf
の1ページ目の「絶対最大定格」を見ると、最大コレクタ電流はパルスで6Aとなっ
ているので、実際には2Aくらいのコレクタ電流を流すとすれば、ベース電流はその
1/10の200mAくらいでいいです(入力信号が10Vならベース抵抗は45Ωくらい)。

また、信号源V1の出力電圧の最小値が-10Vになっていますが、これは速度アップの
ためでしょうか。しかしこれだとベース-エミッタ間がブレークダウンしてトラン
ジスタを壊してしまう恐れがあります。データシートの1ページ目の「絶対最大定
格」にある「エミッタ-ベース電圧」は、ベース-エミッタに逆バイアスをかけたと
きの最大電圧を表わしています。これが6Vなので、-10Vをベースに加えるとブレー
クダウンする恐れがあります。ブレークダウンしないようにするには、エミッタ-
ベース間にダイオードを入れて、エミッタ-ベース間電圧を制限したほうがいいで
す。

トランジスタの遅延時間を小さくするには、スピードアップコンデンサをベース抵
抗と並列に入れる方法があります。添付図は、ベース抵抗を100Ω、コレクタ抵抗
を10Ωとした回路で、スピードアップコンデンサの容量を変えたときの入出力波形
です。スピードアップコンデンサがない場合、トランジスタがOFFからONになると
きの伝搬遅延時間は20nsくらい、ONからOFFになるときの遅延は130nsくらいです
が、スピードアップコンデンサの容量を2200pFとしたとき、ON遅延は数ns、OFF遅
延は15nsくらいに改善されています。コンデンサの容量を3300pF以上としてもほと
んど変わりません。

スピードアップコンデンサを入れた場合、入力パルスの立上りと立下りのタイミン
グで、コンデンサに大きな電流が過渡的に流れるので、信号源も、その電流を出力
できるだけの電流駆動能力が必要となります。