消費電流の小さいタイマー - inara1

2014/05/09 (Fri) 12:47

プッシュスイッチをチョイ押しすると出力スイッチが入り、ある時間が経過すると
自動的に出力スイッチが切れるタイマーの回路図です。電源が入っている間に、も
う1度プッシュスイッチをチョイ押ししても出力スイッチを切ること（手動OFF）も
可能です。

添付図の下のように、タイマーの出力を装置の電源ラインにつなぐと、プッシュス
イッチをチョイ押たときに装置の電源が入り、ある時間が経過すると自動的に電源
が切れるオートパワーオフ機能を付加できます。電池駆動の装置（回路）をこのタ
イマーでON/OFFさせれば、電源の切り忘れによる電池の消耗を抑えることができま
す。

タイマーの出力スイッチがONになっている時間は、添付図の回路の抵抗Rとコンデ
ンサの容量Cで変えられます。R=3MΩ、C=10μFでON時間は35秒程度、R=3MΩ、
C=1000μFで3500秒（58分）程度になります。

このタイマーが動作していないとき（接続した機器がOFFのとき）のタイマー自身
の消費電流は0.1μA未満と非常小さく、タイマーが動作しているとき（接続した機
器がONのとき）でも数μAの消費電流しかありません。したがってタイマーの電源
をリチウムコイン電池などとしても、頻繁にON/OFFさせなければかなり長時間動作
させることができます。タイマーが動作していないときの消費電流はほとんど0な
ので、タイマー自身の電源スイッチはありません。

このタイマーでは標準CMOSロジックICのTC4013という、Dフリップフロップが2個
入ったものを使っています。4000シリーズのロジックICの動作電圧範囲は2V～15V
と、74HCシリーズの2V～5.5Vよりも広いので、タイマーの電源電圧の自由度が大き
くなります（2V以上の電圧ならどんな電池でも使用可能）。タイマーの電源電圧を
3Vと決めるのであれば、74HCシリーズの74HC14というDフリップフロップが2個入っ
たものを使うこともできます。その場合、端子の機能が若干違うので回路も若干変
わりますが、部品の追加はありません。

DIPパッケージのTC4013を使った場合、この回路を28mm×38mmのユニバーサル基板
に収めることができます（後で配線図を添付します）。このサイズは、平面的には
フリスクに入りますが、コンデンサCの容量を1000μFとすると、直径が1cmくらい
となるのでフリスクに収まりません。

SOPパッケージのTC4013を使えばより小さい基板サイズにできますが、コンデンサC
を表面実装タイプにしないと薄くできません。手元にはありませんが、秋月に330
μF・耐圧6.3Vのコンデンサ
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-06890/
があります。この容量だとR=3MΩのとき19分のON時間になります。

このタイマーの出力スイッチに使っている2SK2961の最大ドレイン電流は2Aなの
で、接続する機器の消費電流は1A程度までは大丈夫です。以前作った調光LEDの電
源（12V）にこのタイマーを接続すれば、就寝してしまっても自動的に消灯する読
書灯になります。

2SK2961のドレインの耐圧は60Vなので、AC100Vの機器のON/OFFはできませんが、電
池駆動の機器ならほとんど使えると思います。