秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ
「AWM2300V」のpin接続 - chy_farm
2014/04/06 (Sun) 01:23
inara1さんは「AWM2300V」というガス流量センサーを使ったこと、おありではないですか?
http://sensing.honeywell.com/index.php?ci_id=3108&la_id=1&pr_id=25722
この「AWM2300V」動かそうと試みていますが、pin接続が分からなくて困っています。
このセンサーにはpinが6本あります。
http://sensing.honeywell.com/index.php?ci_id=25725&la_id=1&name=AWM2300V
pinのそれぞれの役割は、次のようになっています。
http://sensing.honeywell.com/index.php?ci_id=25724&la_id=1&name=AWM2300V
センサーからの出力は、センサーが感知するガス流量に線形に比例しています。
流量が;
1000ccのときに55.500mV出力
0ccのときに0.00mV出力
-1000ccのときに-55.500mV出力(これは逆方向の流れらしい)
http://sensing.honeywell.com/index.php?ci_id=25726&la_id=1&name=AWM2300V
出力が+~-に振れるのだから、バイポーラ電源でないと計装アンプが働かないはず、、、、と考えたのですが、センサー端子には「DCV+」の記載はあるのに「-」の記載がありません。
この場合、このセンサーと、オペアンプ、計装アンプとのpin接続はどんな例が考えられるのでしょうか?
バイポーラ電源は、こちらで教えていただいてたので既に作ってあります。
http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1380942739.jpg
Re: 「AWM2300V」のpin接続 - inara1
2014/04/06 (Sun) 09:07
半導体プロセスをやっていたので、流量計(マスフローメータ)は使っていました
が、中をいじったことはありません。
センサと計装アンプ(差動アンプ)の接続は、添付図の回路図のようになります
が、これは内部ですでに接続されているのではないですか?ヒータ回路の先がどの
ようになっているか分からないので、pin1,3,4,5の使いかたは分かりません。
流量計は、加熱されたヒータ線が流路内部に入っていて、その抵抗値が流量に比例
して変化することを利用したものです。流量が大きくなると、ヒータ線が冷却され
て抵抗値が大きくなるという原理です。実際の流量センサでは、ガスを流さない基
準ヒータ線を基準とした抵抗ブリッジを構成して測定精度を向上させています。
添付図の上の左側が抵抗ブリッジの部分です。R10とR11が固定抵抗、Rsens1が基準
ヒータ線、Rsens2が流量測定用のヒータ線になります。
本来は流量が0のとき、pin6とpin2の電圧は等しいのですが、ヒータ線のバラツキ
等によって等しくならないので、回路図
(http://sensing.honeywell.com/index.php?ci_id=25724&la_id=1&name=
AWM2300V)のFIGURE2の500Ωの可変抵抗で、流量が0のときにpin2とpin6の電圧が
等しくなるように調整します(流量コントローラ側でセロ調整できるようになって
いると思います)。
流量が0でないとき、Rsens1とRsens2の抵抗が異なるので、pin6とpin2の電圧が異
なります。その電圧差を差動アンプで増幅しています(その出力端子が添付図の回
路のout)。
差動アンプの電源は単電源ですが、差動アンプの基準電圧(添付図の回路図の
Voffset)を電源電圧の半分としているので
・pin6電圧<pin2電圧のとき、Vout<Voffset
・pin6電圧=pin2電圧のとき、Vout=Voffset
・pin6電圧>pin2電圧のとき、Vout>Voffset
となって、VoutからVoffsetを差し引けばpin6電圧-pin2電圧が測定できます。
以前、筋電計で使った差動アンプLT1167も、その内部は添付図の差動アンプのよう
に、3つのオペアンプと抵抗を使った構成になっています。Voffset端子はLT1167の
5pinですが、添付図の回路図のR8とR9はついていません(外付け)。
Re: 「AWM2300V」のpin接続 - chy_farm
2014/04/06 (Sun) 10:55
inara1さん、おはようございます。
早速にありがとうございます。
原理を教えていただいて、全く大感謝です!(よかったーーー)
ヒーターを付けていて、可燃ガスを通すのは大丈夫な構造なんでしょうか?
データシートのアプリケーションには
Oxygen concentrators
と表示↓されてますが。
http://sensing.honeywell.com/index.php?ci_id=3108&la_id=1&pr_id=25
722
inara1さんが携わっていられたフローセンサーは大丈夫でしたか?
あと、単電源の具体策をありがとうございます。
添付したのは筋電計で教えていただいたときの回路ですから、早速これで
Referenceを作ってみます。
Re: 「AWM2300V」のpin接続 - inara1
2014/04/06 (Sun) 13:15
私が半導体プロセスで使っていた流量計には100%のSiH4(シラン)や水素などの可
燃性ガスも流していました。100%の酸素ガスも流します。
基本的には1つの流量計に流すガスは1種類だけで、混合ガスを流すのは、混合して
も発火したり反応したりしない場合のみです。可燃性ガスと酸素の混合ガスを流す
ことは絶対にしてはいけません(シランガスの場合は酸素と混合するだけで自然発
火してしまうので混合すらできませんが)。
また、可燃性ガスだけを流す場合でも、流量計の出口側から酸素を含む大気が逆流
するような構造になっていると発火の危険があるので、出口側に逆流防止弁などを
取り付ける必要があります。
ここ(http://www.brooksinstrument-jp.com/product/massflow/thermal/)に原理
図が出ていますが、ヒータがガスに暴露されるわけでなく、それほど高温になるわ
けではないので可燃性ガスを流しても大丈夫ですが、ここ
(https://www.compoclub.com/support/faq/faq_mf.html#22)の「可燃性ガスの計
測で注意点」に書かれているように、燃焼範囲に入る比率の混合ガスを流してはい
けません。
さらに、沸点が低くて常温の配管内で液化するようなガスを流すと、正しい測定が
できなくなるので、配管全体にヒータを巻いて加熱するなど、結露しないように工
夫する必要があります。
流量とセンサ出力の関係は、ガスの比熱や熱伝導率などによって異なるので、ガス
の種類や混合比、温度、圧力が変わると変換係数が変わってしまいます。流量計に
表示される値は窒素換算の値(1気圧で常温の窒素を流したときの流量)です。窒
素以外のガスではここ
(http://www.fcon-inc.jp/FCON/Principle/Principle.html)のコンバージョン
ファクタ(変換係数)で換算するか、使用ガスを伝えてメーカに流量計を送り校正
してもらいます。
Re: 「AWM2300V」のpin接続 - chy_farm
2014/04/06 (Sun) 15:26
イヤー、ほんとにすばらしいアドバイスをありがとうございます。
どれもこれも必ず必要な知識です。
知らないと爆発の危険性があるから、これは重要です。
ありがとうございます。感謝します。
去年、高圧ガス溶接の講習と、試験を受けて来ました。そのときもこのような危険
性については最重要課題でした。
それから原理のサイトをありがとうございます。
なるほど、こうなっているんですか!
「窒素換算の値(1気圧で常温の窒素を流したときの流量)」もありがとうござい
ます。
換算値のことも勉強してみます。
おかげさまで配線が出来ました。
写真、貼付しました。
Referenceには以前教えていただいたボルテージフォロアを入れてインピーダンス
を下げておきました。
計装アンプのG値の抵抗を1kΩにしたら、相当センシティブに動きます。息をそっ
と吹き付けても100mVくらい跳ね上がります。
写真の左側が空けてあるのは、そこにPICを入れてA/D変換するつもりです。
Re: 「AWM2300V」のpin接続 - chy_farm
2014/04/06 (Sun) 15:50
やっぱり計装アンプのG値の抵抗が1kΩでは感度が良すぎて見にくいので、4.7KΩ
に交換しました。
これならさっきより少しマシのようです。