秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ
電圧変換回路 - inara1
2013/11/04 (Mon) 12:59
0V~3.3Vの信号を-10V~-1Vに変換する回路です。
Re: 電圧変換回路 - inara1
2013/11/10 (Sun) 15:41
ユニバーサル基板に組んで動作確認しました。
回路図を少し変更しました。基準電圧IC(NJM431)の出力電圧には個体バラツキが
あるので、上図のV2の電圧が正確に2.5Vとなるように、可変抵抗(VR)で調整でき
るように変更しました。上の回路図には描きませんでしたが、LM7171の電源端子と
GND間には0.1μFのバイパスコンデンサを、電源(±15V)とGND間に1001μFのバイ
パスコンデンサを入れています。
Re: 電圧変換回路 - chy_farm
2013/11/10 (Sun) 23:06
inara1さん
先日教えていただいた、両電源の回路
http://bbs3.fc2.com/thumb/454703_1380942739.jpg
とは違って、出力の電圧が
0V~3.3V → -10V~-1V
に変換されるのですね。
これはどういう時に使うのですか?
Re: 電圧変換回路 - inara1
2013/11/11 (Mon) 07:22
chy_farmさん
これはYahoo知恵袋の質問
(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14115913304)に
対する回答です。
私も用途は分かりませんが、LM7171でできそうだったので作ってみました。
この回路は、入力電圧Vinに対して、出力電圧VoutをVout=A*Vin-B
とするものです。A(利得)とB(オフセット)は抵抗比で変えられます。
ロジック回路に応用すれば、振幅0V~3.3Vの信号を任意の電圧範囲の信号に変換で
きます。温度センサのアナログ信号を変換すれば、℃単位の温度をV単位の電圧に
変換するようなこともできます。
この回路を使えば、PICの出力電圧範囲以外の電圧信号を作れるので、生体計測に
も利用できるのではないでしょうか。
Re: 電圧変換回路 - chy_farm
2013/11/11 (Mon) 08:05
おはようございます。
>「この回路は、入力電圧Vinに対して、出力電圧Voutを Vout = A * Vin - B と
するもの」
なるほど、そういうことでしたか。
一つのモジュールとして覚えておくと便利そうです。
ありがとうございます。
Re: 電圧変換回路 - inara1
2013/11/11 (Mon) 19:09
LM7171を2つ通すと、出力信号の立上がりがかなり遅くなりますね。LM7171はス
ルーレート(出力信号の最大傾斜)が4000V/μs(1nsで4Vの電圧変化)と大きいの
で問題ないのですが、利得帯域幅積が200MHz程度とやや小さいので、 Vout = A *
Vin - B のAの部分を大きくすると、帯域幅が下がってしまいます(帯域幅
=200MHz/A)。
手元にあるオペアンプでCLC449
(http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/clc449.pdf)というのがあるのです
が、これは利得帯域幅積が1GHzとLM7171の5倍と大きく、スルーレートも2500V/μs
(1nsで2.5Vの電圧変化)と充分大きいので、これを使えば、出力波形の立上が
り・立下りが速くなるかもしれません。しかし、CLC449は1個しかないので、今回
の回路を作ることができません。
LM7171やCLC449は、昔は違うメーカの製品でしたが、今は買収されて、テキサスイ
ンスツルメンツで扱っている製品です。テキサスインスツルメンツのWebページを
見ると、これに匹敵するかそれ以上の高速オペアンプがいろいろあるようなので、
無料サンプルサービスを利用して、高速オペアンプをいくつか評価してみようと思
います。
無料サンプルサービスというのは、過去に何回か利用したことがあります(この
サービスを受けるには登録が必要ですが、私は勤務先の会社情報で登録していま
す)。1品種2個くらいであれば、無料でサンプルを送ってもらえます。少し調べて
みて、高速オペアンプをいくつか入手してみようと思います。
Re: 電圧変換回路 - chy_farm
2013/11/12 (Tue) 09:37
>CLC449は、
>GBP:1GHz (LM7171の5倍)
スルーレート:2500V/μs(1nsで2.5Vの電圧変化)
>と充分大きいので、これを使えば、出力波形の立上がり・立下りが速くなるか
もしれません。
↑GBPがすごいですね!
試作されるのを楽しみにしています。
Re: 電圧変換回路 - inara1
2013/11/12 (Tue) 17:12
CLC449の評価を行いました。
信号源は10MHzの水晶発振モジュールです。ここ
(http://www.grandpas-shack.com/parts/item.php?itemid=3297)のような外形の
ものです。このモジュールは電源をつなぐだけで、周波数の安定した矩形波が出力
されるものですが、この実験ではモジュールの電源電圧を変えることで、信号源の
振幅を調整しました。
この回路で、オペアンプをLM7171とした場合とCLC449とした場合で出力波形を比較
しました。比較はオペアンプだけを交換したもので、周辺回路は完全に同一です
(オペアンプの実装には丸ピンソケットを使用し差し替えて測定)。
電源電圧の+側が8V、-側が-2Vとなっているのは、CLC449の最大電源電圧が10Vと低
いためです。この回路は電圧利得2倍の非反転増幅回路なので、0V~3Vの信号を入
力したとき、出力電圧は0V~6Vとなります。したがって、電源電圧の+側を8V、-側
を-2Vとすれば、CLC449でもLM7171でも出力がクリップすることなく動作します。
入力信号の立上り/立下り自身があまり速くないのですが、明らかにCLC449のほう
が応答が遅いようです。応答が遅いだけでなく、立ち上り波形が2段になっていま
す。入力信号の振幅を小さくして、出力が4V未満にすると、この段はなくなるの
で、出力振幅が4V以上になると段ができるようです。立下りには段はありません
が、LM7171に比べると、0V付近でダラダラ下がっています。
CLC449は最大電源電圧が10V(両電源なら±5V)と低いので、10Vの振幅は得られま
せんし、出力波形にクセがあります。一方、LM7171は最大電源電圧が30V(両電源
なら±15V)なので、大きな振幅の信号も出力できますし、波形も素直です。今回
の評価ではCLC449よりLM7171のほうに軍配が上がりました。
回路基板の写真を後で添付しますが、GNDラインは銅箔とし、抵抗を最短距離で実
装しました。測定はプローブの先端とGNDリードを外した状態で行いました。
Re: 電圧変換回路 - inara1
2013/11/12 (Tue) 17:43
評価基板の写真です。
Re: 電圧変換回路 - inara1
2013/11/13 (Wed) 07:03
評価基板の向かって左側のソケットはオペアンプと同じ8pinなのに、水晶発振モ
ジュールはそれより大きいサイズになっています。これは、最初に48MHzの水晶発
振モジュール(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-03939/)を使う予定だっ
たからです。
しかし、48MHzの信号を入力すると、LM7171でもCLC449でも、出力波形が充分立ち
上がらないうちに立下ってしまったため、入力信号を10MHzに変更しました。
48MHzの矩形波のパルス幅は10.4nsなので、オペアンプの立上がり/立下り時間が共
にに5ns未満でないとそのようになってしまいます。少なくともCLC449は5ns未満だ
ろうと早合点したのが間違いでした。
手元にある水晶発振モジュールは10MHzと16MHzの他は48MHzしかなかったので、サ
イズが異なる10MHzに差し替えました。GNDピンと出力ピンの距離はソケットと同じ
(300mil)だったので写真のように差し替えることができましたが、電源ピンはソ
ケットから飛び出すので、リード線を端子に直接ハンダ付けしています。
Re: 電圧変換回路 - chy_farm
2013/11/13 (Wed) 08:20
基板の裏のGNDはこんなに面積を取るのですか!
それにオペアンプの真下にも取るのですね。
良い勉強になります。
Re: 電圧変換回路 - inara1
2013/11/14 (Thu) 20:25
>基板の裏のGNDはこんなに面積を取る
手元にあった銅箔テープが12mm幅だったのでこのようにしました。やや赤茶けてい
るのは銅箔テープが古いからです(ハンダ付けすれば表面の酸化膜がなくなって銅
色になるので問題ないです)。
オペアンプの真下も、なるべくこのようにしてください。こうすればオペアンプの
入力側と出力側が分離できますし、オペアンプ周辺回路のGNDをオペアンプ近くで
取れます。
この波形
(http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1384243952.jpg)
は、帯域が150MHzのオシロスコープのものなので、入力パルスの立上がりが0で
も、表示は2.3nsくらいの立上がりになってしまいますね。