秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ

LEDの調光回路について - koge

2013/06/27 (Thu) 22:07

新しくスレッドを立てさせていただきます。

>電源電圧が3.6V~4.5Vで、合計2本または4本のLEDを点灯させるということです
か。

その通りです。電源電圧については充電池3本直列の場合とアルカリ電池3本直列の
場合を考えて3.6V~4.5Vとしました。

使用するLEDはまだ決まっていません。

パルス幅変調と可変抵抗どちらでもよいのですが、できれば点灯時間が長い方が良
いです。

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/06/28 (Fri) 06:40

3.6Vは充電池3本直列の電圧ですか。放電すると電池の電圧が下がってくるので、
動作電圧が3.4VのLEDの明るさを一定にするのは難しいかもしれません。

電池を4本直列にできませんか。充電池だと4.8V、乾電池だと6Vになりますが、こ
の電圧ならLEDの明るさを一定にできます。

手元にある白色LED(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-04765/)で実験し
てみます。

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/06/28 (Fri) 18:39

>乾電池1本でLEDを点灯することも可能みたい
秋月で売っているDCコンバータ
(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-03071/)を使うと、1.5Vから5Vを作れ
るので、これを使ってみましょうか。電源電圧が3.6Vからでも5Vを作れます。この
DCコンバータは手元にあるので実験してみます。

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/06/29 (Sat) 09:41

添付図のような回路でできます(動作確認済み)。

可変抵抗を右に回すとLEDが明るくなります(LEDに流れる最大電流は20mA)。可変抵抗を左に回すとLEDが暗くなり、左に回しきるとLEDは完全に消灯します。左に回しきったときの回路全体の消費電流は0.1mAと非常に小さいので、使わないときは可変抵抗を左に回しきっておけば、電源スイッチを設けなくてもバッテリの消耗はほとんどありません。

電源(バッテリ)電圧が2.3V~5Vの範囲ならLEDの明るさは一定です。電源電圧が1.5Vまで下がってもLEDは点灯します(明るさも変えられます)が、LEDの最大電流は10mAと半分に下がります。

添付図の回路はLEDが4個ですが、2個だけ点灯するときは、LEDにつながっているトランジスタとその下の10Ωの抵抗を取り外せばいいです。この回路は定電流回路になっているので、LEDの個数によらず明るさは一定です。

【部品(LEDを4個点灯させる場合)】
昇圧型DC-DCコンバータ(5V・0.2A) 1個 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-03071/
トランジスタ(2SC1815) 5本 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-00881/
アルミ電解コンデンサ(100μF) 1本 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05002/
可変抵抗(100kΩB) 1個 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-01658/
抵抗
 150kΩ 1本
 10kΩ  1本
 10Ω  4本
LED 4本

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/06/30 (Sun) 06:27

そのUSB電池ボックスでもいいです。

バッテリ電圧が2.4Vのときに200mAくらいの出力電流が取れるようなので問題ないと思います(上の回路はLED4個なので出力電流は最大80mA)。

>DC-DCコンバータの2番・3番につながっている部分をUSB電池ボックスの出力端子に接続
それでいいです。

上の回路では、LEDに流れる電流の最大値(可変抵抗を右に回しきったとき)は、トランジスタのバラツキで多少変わります。定格電流20mAのLEDに50mA以上流すとLEDが劣化する可能性があるので、最大電流は30mA程度に抑えておいたほうがいいです。

LEDに流れる電流は、10Ωの抵抗の両端の電圧をテスターのDC電圧モードで測定すれば分かります。10Ωの抵抗の両端の電圧が0.2Vのときが20mA、0.3Vのときが30mAです。可変抵抗を右に回しきったときに30mAを超えるようであればR1の抵抗値を大きくしてください(220kΩや330kΩなど)。

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/06/30 (Sun) 11:16

回路図
(http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1372466518.jpg)
に間違いがありました。R2は10kΩでなく1kΩにしてください。

トランジスタが2段になっているのは、LEDの電流を変えるための電流を小さくした
かったからです。

添付図は、この回路の1部を抜き出したものです。可変抵抗のところは固定抵抗
(100kΩ)にして、LEDの最大電流が流れる状態にしてあります。

LEDの電流ILEDを20mAとします(これは出発点なので10mAとするときはILED=10mAと
する)。この電流はトランジスタQ2のコレクタ電流になるので、トランジスタの電
流増幅率を100と仮定すれば、Q1のベース電流I7は20mAの1/100の0.2mAになりま
す。

添付図ではLEDを駆動している回路を1つしか示していませんが、この回路は他に3
個あって、それぞれ同じLED電流が流れているとすれば、そのベースも全て0.2mAに
なります。

LEDを駆動しているトランジスタのベースは、トランジスタQ1のエミッタに全てつ
ながっているので、LED数が4個なら、Q1のエミッタから流れ出す電流I5は0.2mAの4
倍の0.8mAになります。

Q1の電流増幅率を100と仮定すれば、Q1のベース電流I3は7.92μAになります。

このように、トランジスタを2段にすれば、Q1に7.92μAという非常に小さいベース
電流を流せば、LEDに20mAの電流を流すことができます。ベース電流をこれより小
さくすれば、LEDの電流も絞ることができます。

Q1のベース電流を変えているのが抵抗R1と可変抵抗VRからなる分圧回路です(添付
図は可変抵抗を最大にした状態で描いています)。可変抵抗のスライダ位置を変え
ると、Q1のベース電圧が変わるのでベース電流が変化します。

上の説明では、LED電流を20mAとして話を進めましたが、この電流を決めているの
がR1と可変抵抗の抵抗値です。以下にR1の値の決め方を説明します。

LED電流を20mAとすれば、Q2のエミッタ電流I8は20.2mAになりますが、この電流は
R3に流れる電流なので、Q2のエミッタ電圧は、20.2mA×10Ω=0.202Vになります
(添付図では小数点下2桁以下を省略して0.2Vとしています)。

Q2のベース電圧はエミッタ電圧+0.6Vの0.8Vくらいになります(ベース-エミッタ間
電圧はベース電流によって若干変わりますが、ここでは0.6Vとしています)。

Q2のベース電圧はQ1のエミッタ電圧なので、Q1のベース電圧は0.8V+0.6V=1.4Vにな
ります。

Q1のベース電圧が1.4Vのとき、可変抵抗に流れる電流I2は1.4V/100kΩ=14μAにな
ります。

R1に流れる電流I1は、Q1のベース電流I3と変抵抗に流れる電流I2の和なので、
I1=21.92μAになります(I3は上で計算しています)。

R1の両端の電圧は5V-1.4V=3.6Vなので、R1に流れる電流を21.92μAとするには、添
付図の一番下の式で示したように、164kΩとすれば良いことになります。市販の抵
抗で最もこれに近いのは150kΩなので、R1=150kΩとします。

実際にはトランジスタの電流増幅率やベース-エミッタ間電圧には個体バラツキが
あり、周囲温度によっても変わるので、LEDの最大電流はぴったり20mAになりませ
ん。

可変抵抗の抵抗値は100kΩとしていますが、これは回路全体の消費電流(LEDを光
らせないとき)を小さくするためです。可変抵抗を絞ったとき、ベース電流は0に
なりますが、R1と可変抵抗には電流が流れ続けます。この電流は5V/(R1+可変抵抗
値)なので、R1+可変抵抗値をなるべく大きくすれば、消費電流を減らせます。LED
を光らせないときの消費電流は、添付図でQ1のベースを切り離したときにR1に流れ
る電流(20μA)になります。


上の計算では、LEDのVFが出てきませんが、この回路はVFが変動してもLED電流が変
わらない定電流回路になっているからです。添付図にはQ2のコレクタ電圧が1.4Vと
書いてありますが、これはVF=3.6Vとしたときの電圧です。Q2のコレクタ-エミッタ
間電圧が1V以上あれば、LED電流はコレクタ-エミッタ間に関係なく、ベース電流だ
けで決まるのでVFに影響されません。

10Ωの抵抗はやや適当に決めています。この抵抗が大きいほど回路の特性(定電流
性)が良くなるのですが、あまり大きいと、この抵抗にかかる電圧(抵抗値×電
流)が大きくなります。この電圧はQ2のエミッタ電圧なので、これが大きいとQ2の
最低コレクタ電圧(エミッタ電圧+1V)が大きくなります。コレクタ電圧は5V(電
源電圧)-VFなので、最低コレクタ電圧が大きくなると、VFの大きなLEDを駆動でき
なくなります。そのためR3を10Ω程度にしています。

R2はQ2に過大なコレクタ電流が流れないようにするためのものです。1kΩとすれ
ば、コレクタ電流は5V/1kΩ=5mA以上にななりません。

コンデンサはDC-DCコンバータの安定動作のために入れています(DC-DCコンバータ
の説明書に書いてある)。このコンデンサがないと、LED電流を大きくしたとき
に、DC-DCコンバータの出力電圧の変動(リップル電圧)が大きくなりますが、こ
ちらで実験したときには、コンデンサがなくても特に問題ありませんでした。




Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/07/01 (Mon) 06:14

>可変抵抗は50kΩでも200kΩでも良い
何Ωでもいいですが、可変抵抗を変えたらR1の抵抗値も変える必要があります。

具体的には、この図
(http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1372558580.jpg)
で、Q1のベース電圧が1.4Vになるようにします。可変抵抗値をR(Ω)とすれば、
可変抵抗に流れる電流はI2(A)=1.4/Rになります。R1に流れる電流は、I2とI3の
和になるので
(5-1.4)/R1=I2+I3=1.4/R+8μA
→R1=3.6/(1.4/R+8μA)
となります。

例えばR=10kΩなら
R1=3.6/(1.4/10e3+8μA)=3.6/(0.14mA+8μA)=25.7kΩ
とします。

Rを小さくするとR1も小さくなります。また、Rが小さいほどI2がが大きくなるの
で、LEDを消灯しているときの消費電流が増えます。

>なぜQ1に接続されているR2がQ2のコレクタ電流に関係するのでしょうか

間違えました。R2は「Q1」に過大なコレクタ電流が流れないようにするためのもの
です。1kΩとすれば、Q1のコレクタ電流は5V/1kΩ=5mA以上になりません。

>Q1のコレクタ電圧の4.2vはどこから
Q1のコレクタ電流I4にR2の抵抗値をかけた電圧が0.8Vなので、Q1のコレクタ電圧
は、電源電圧-0.8Vの4.2Vになります。

Q1のコレクタ電流が増えすぎると、Q1のコレクタ電圧が下がってきて、Q1のベース
電圧(1.4V)付近に来ると、Q1の増幅率が下がるので、Q1のコレクタ電流がそれ以
上増えなくなります。

R2は入れなくてもいい(Q1のコレクタを直接電源ラインにつないでもいい)のです
が、安全のために入れました。


Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/07/02 (Tue) 05:26

それで合ってます。

R1=100kΩとして、実際にLEDを点灯させてみて、可変抵抗を右に回しきったとき
に、Q2のエミッタ電圧が2.4Vを超えるようなら、R1を少し大きく(120kΩや150kΩ
に)してください。

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/07/02 (Tue) 19:40

>Q2のエミッタ電圧が2.4Vを超えるようなら
「Q2のエミッタ電圧が0.24Vを超えるようなら」の誤りでした。

Re: LEDの調光回路について - koge

2013/07/16 (Tue) 16:28

お世話になっております。

先日、秋葉原に行って部品を購入してきたので、実際に組み立ててみました。

最初は可変抵抗を回すとちゃんと明るさが変わっていたのですが、
コードが太すぎたので、もう一度細いコードに付け替えたところ、
可変抵抗を回しても4個のLEDがすべて明るいままで、暗く成らなくなってしまい
ました。

コードを付け替えるときに一度配線するを間違えてしまったので、
もしかすると部品のどれかが壊れてしまったのかもしれません。

出来れば部品を取り外さずに壊れていないかチェックをしたいのですが、そのよう
なことは可能でしょうか?

また、明るさが明るいまま変化しないのですが、壊れてしまった可能性のある部品
がどれか見当が付きますでしょうか?

アドバイスをお願いします。

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/07/16 (Tue) 19:24

この回路
(http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1372694662.jpg)
で点灯させたのですか。

でしたら、LEDが明るいまま変化しない状態で、その回路図の赤字で書かれた電圧
のところが何Vになっているか測定してみてください。

Re: LEDの調光回路について - koge

2013/07/24 (Wed) 12:09

お世話になっております。

明るさ無事に変わりました。原因は単純に可変抵抗のはんだ付け不良でした。

で、無事に調光は出来たのですが、電池が発熱します。

点灯中の電池の電流を測ってみたら、LEDを明るくした状態では350mAも流れていま
した。

この状態で使用しても大丈夫でしょうか?

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/07/24 (Wed) 20:32

50mAで点灯させたLEDが4個だと合計200mAの電流が流れます。USB電池ボックスは3V
を5Vに昇圧するものですが、出力の5Vに200mAの電流が流れると、入力側の3Vに流
れる電流は、USB電池ボックスの変換効率が100%の場合、200mA×(5V/3V)=333mAに
なります。350mAというのは変換効率が95%くらいになるので正常範囲です。

単三電池から350mAの電流を取り出すというのは少し厳しいですが危険な使い方で
はありません(使用しても構いません)。

しかし、アルカリ単三の乾電池を使ったとしても、電池の持ちが数時間しかないの
で、点灯時間をもっと長くしたいのなら、電池ボックスを単二電池用や単一電池用
に変えて、もっと大きな乾電池にしたほうがいいです。

Re: LEDの調光回路について - koge

2013/07/25 (Thu) 12:06

電池が熱くなっていたのでちょっと心配をしていたのですが、350mA位なら問題ないということですね。

別の質問なのですが、2013/06/29に「添付図の回路はLEDが4個ですが、2個だけ点灯するときは、LEDにつながっているトランジスタとその下の10Ωの抵抗を取り外せばいいです。この回路は定電流回路になっているので、LEDの個数によらず明るさは一定です。」というご返答を頂いたのですが、6/30にご返答いただいた抵抗値の決め方で「LEDを駆動しているトランジスタのベースは、トランジスタQ1のエミッタに全てつながっているので、LED数が4個なら、Q1のエミッタから流れ出す電流I5は0.2mAの4倍の0.8mAになります。」ということなので、LED2個と4個では抵抗の値が変わってしまうと思うのですが、どうなのでしょうか?

あと、今回ご提示いただいた回路は可変抵抗によるものですが、パルス幅変調の方が電池の使用効率は良くなるのでしょうか?

可能でしたらパルス幅変調の回路もお教え頂けないでしょうか?

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/08/11 (Sun) 06:24

LEDを3個直列につなぐのであれば、ご質問の回路は問題ありません。

しかし、LEDを1個だけにして、最大電流(230mA)で光らせると、Q2のコレクタ損
失(発熱量)が許容値を超えてしまうので、Q2が壊れる可能性があります。

右の添付図は、最大電流としたときの回路各部の電圧と電流を回路シミュレータ
(LTspice)で見た結果です。LEDが1個でも3個でもLEDに流れる電流はほとんど変
わりませんが、Q2のコレクタ電圧が違います。LEDが1個のときのほうがコレクタ電
圧が高くなるので、コレクタ-エミッタ間電圧が大きくなり、発熱(コレクタ損
失)が大きくなります。

2SC2120のコレクタ損失の許容値は600mWですが、LEDが1個のときのコレクタ損失は
この3倍くらいになってしまうので、点灯後10分程で、壊れてしまうのは当然かも
しれません。LEDを3個直列につないだときのコレクタ損失は0.36Wと、許容損失の
半分程度なので、2SC2120を使っても大丈夫です。Q1のほうのコレクタ損失は、LED
の数によらず、15mW程度なので2SC2120を使っても大丈夫です。

LEDを1個だけ点灯させるときは、Q2に許容損失の大きいトランジスタを使ってくだ
さい。例えば、2SD2012は、放熱器なしでの許容損失は2Wです。しかし、これは実
際の発熱量(1.78W)ギリギリなので、ここ
(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05151/)のような小型の放熱器をつけ
てください。

放熱器を取り付けるときは、接触面に熱伝導グリース
(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gT-04721/)を薄く塗り、M3ネジで固定し
てください。

なお、LED自身も相当発熱するはずなので、LEDにも適当な放熱器を取り付けてくだ
さい。

R4(5Ω)は0.5Wのものでいいです。

2SC2120 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-02732/
2SD2012 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-02510/

Re: LEDの調光回路について - mako

2013/08/11 (Sun) 10:11

inara1 様

早速のご回答ありがとうございます。

近所のジャンク屋で2SD1276が入手できましたので
これでトライしてみます。

再度質問があるのですが、ご回答お願いできますでしょうか。

?VR1について
 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05081/
 を使用しているのですが、問題ないでしょうか。
※定格が0.05Wと小さかったため気になりました。
  VR1での消費電力は17μA×17μA×100kΩで良いのでしょうか。
 ※2連を使用しているのは調光回路2個を同時に制御するためです。

?R4(LED)に流れる電流の計算方法を教えていただけますでしょ うか。
 R4を大きくすれば、電流が減り、Q2の発熱量も抑えられると
 考えております。
 電流値を10%程度落として発熱量を確認したく、電流設定の
 計算方法を教えていただけると助かります。

質問ばかりで恐縮ですが、よろしくお願いします。

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/08/11 (Sun) 13:27

2SD1276はダーリントントランジスタです(http://www.semicon.panasonic.co.jp/ds4/SJD00190BJD_discon.pdf)。2SD1276を使うのであれば添付図のような回路にしてください。

>VR1での消費電力は17μA×17μA×100kΩで良いのでしょうか
その消費電力になるのは、可変抵抗を最大にしたときで、実際には、可変抵抗の回していく途中で最大電力になります。式で書くと複雑となるので省略しますが、最大値はその数倍くらいです。17μA×17μA×100kΩは0.03mW程度と、その2連ボリュームの許容電力の1/1000程度なので問題ありません。

>R4(LED)に流れる電流の計算方法
添付図の回路(2SD1276を使った回路)で説明すると、ボリュームを最大にしたとき、2SD1276のベースには基準電圧(Vref)の2.5Vがそのままかかりますが、この電圧はトランジスタのベース-エミッタ間電圧(Vbe)と、R4の電圧(ILED*R4)の和になります(ILEDはLED電流)。
Vref=Vbe+ILED*R4
→ ILED = (Vref-Vbe)/R4
2SD1276のVbeは1.3Vくらいで、Vref=2.5Vなので、R4=5ΩとすればILEDは240mAになります。LED電流を絞るにはR4を大きくすればいいです(半分の電流にするにはR4の抵抗値を倍にする)。R4の発熱量は (ILED)^2*R4 なので、ILEDが半分になれば、R4が2倍になっても、R4の発熱量は半分になります。ILEDを10%減らすには、R4を10%大きくして5.5Ωにすることになりますが、R4の発熱量は10%減るだけになります。

R2は47kΩでもいいですが、添付図の一番下の式で計算するといいです(計算結果だと100kΩ程度がいい)。R2の値をこの計算結果より大きくすると、ボリュームを絞ってもLEDが消灯しなくなります。R2の値をその計算値より小さくしておけば、ボリュームを絞ったときにLEDは完全に消灯しますが、あまり小さくしすぎると、ボリューム絞った状態から右に回していってもLEDがなかなか点灯し始めなくなります。

Re: LEDの調光回路について - mako

2013/08/11 (Sun) 14:07

inara1様

再度のご回答ありがとうございます。

2SD1276を使用する場合、回路の変更が必要との事ですが
Q2だけを2SD1276に変更しただけでは動作しないのでしょうか?

2SD2012のほうが価格が安いため、2SD2012が届くまでの間
すぐに入手できた同じコレクタ損失の2SD1276で発熱の確認を行おうと考えていま
した。

大変お手数ですが、回路の動作の可否を教えていただければ幸いです。
よろしくお願いします。




Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/08/11 (Sun) 14:27

前の回路
(http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1376169851.jpg)
のQ2を2SD1276に置き換えるということですね。それだとトランジスタ3段構成にな
りますが、抵抗値を変えればちゃんと動作するはずです。

単にQ2を2SD1276に置き換えただけだと、LED電流が小さくなるので、R4の値を変え
る必要があります。1つ前で
ILED = (Vref-Vbe)/R4
でLED電流が計算できると書きましたが、3段構成の場合、Vbe=2Vとして計算する必
要があります。LED電流を最大240mAとする場合
R4=(2.5V-2V)/0.24=2.1Ω
となります。

Re: LEDの調光回路について - mako

2013/08/11 (Sun) 14:28

inara1様

連続の投稿失礼いたします。

回路図を見間違えておりました。

2SD1276 1個でQ1、Q2の役割ができるということですね。
それであれば、Q1とR3の分、部品が減りますので今回教えていただいた回路に変更
してしまおうと思います。

2SD1276は秋月電子さんでは販売されていないようですが、
 ?2SD1415A
 ?2SD1590
でも同じ回路で置き換えが可能なのでしょうか?

度々のご質問でお手数をお掛けしますがご回答いただければ幸いです。



Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/08/11 (Sun) 15:39

2SD1415Aでも2SD1590でも使えると思います。1つのパッケージに2個のトランジス
タが入っているものだと、1個でQ1とQ2の役割になるので部品が減らせます。

Re: LEDの調光回路について - mako

2013/08/11 (Sun) 16:23

inara1様

ご丁寧な対応ありがとうございました。

ダーリントントランジスタを使用する方法で再度回路を製作してみます。

今回、ご教授いただき、本当に助かりました。

動作確認しましたら、ご報告いたします。


Re: LEDの調光回路について - mako

2013/08/23 (Fri) 15:00

inara1様

ご教授いただいた調光回路に関して、再度教えていただきたいことがあります。

2SD1276を使用して回路を組み、動作確認を行ったところ
無事動作いたしました。
2SD1276の時は、VRをしぼった状態で電源を入れるとうっすらLEDが点灯し、VRを回
していくと徐々に明るくなる状態でした。(VRと直列のR2は100kΩをつけました)

その後、2SD1276を2SD1415Aに変更したところ
電源を入れてもLEDが点灯せず、VRを回していくと
最後の1/4回転で急激にLEDが点灯する状態に
なってしまいました。
R2を500kΩまで大きくしましたが、点灯のタイミングは
変わりません。

原因が分かりましたら、教えていただけると助かります。

お手数ですが、よろしくお願い致します。

Re: LEDの調光回路について - mako

2013/08/23 (Fri) 18:30

inara1様

連続の投稿失礼します。

2SD1276と2SD1415Aの仕様書を確認したところ
内部の回路が少し違うようです。
2SD1415Aには、一段目のトランジスタのベース-エミッタ間に抵抗が入っています
が、2SD1276には抵抗がありません。

この抵抗の有無により調光の状態が変わってしまったのでしょうか。

質問ばかりで恐縮ですが、原因と対策について、ご教授いただけると助かります。

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/08/23 (Fri) 20:15

実験した回路は、ここ
(http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1376195244.jpg)
の2SD1276を2SD1415Aに置き換えただけですか?

2SD1276と2SD1415Aでは内部回路が少し違うので、そのような現象が起こるかもし
れません。

2SD1415Aはデジタルトランジスタと言われるもので、内部に入っている抵抗が2本
なのは、ベース電圧が2.5V付近で急にONになるようにしているからです。そのため
に、VRを回していったときに、最後の1/4回転で急激にLEDが点灯する状態になって
るものと思われます。

デジタルトランジスタは、ベース電圧が2.5V付近で急にONとなるのでアナログ的な
調光にはあまり適していませんが、可変抵抗の抵抗値を100kΩでなく、10kΩ程度
に下げればアナログ的な調光にも使えます。

ここ
(http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1376195244.jpg)
の回路図の可変抵抗を10kΩに変れば、滑らかにLEDの明るさが変わるようできま
す。

R2の抵抗値によって、可変抵抗を絞ったときのLED電流が変わります(R2の抵抗値
が大きいほど、可変抵抗を絞ったときのLED発光が明るくなる)。R2を22kΩ、47k
Ω、100kΩと変えてみて、いい具合になる抵抗を探してみてください。

Re: LEDの調光回路について - mako

2013/08/23 (Fri) 21:34

inara1様

早速の返信ありがとうございます。

実験した回路は、ここ
(http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1376195244.jpg)
の2SD1276を2SD1415Aに置き換えただけですか?

→その他にR4を5Ω→6.8Ωに変更しております。
 (おそらくこれは関係ないと考えていますが)

トランジスタの件、教えていただいてありがとうございます。
VRを10kΩに変更して再トライしてみます。

1つ疑問があるのですが、VR=100kΩ R2=1MΩにするのと
VR=10kΩ R2=100kΩにするのは同じことには
ならないのでしょうか?



Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/08/24 (Sat) 05:30

>R4を5Ω→6.8Ωに変更
これはあまり関係ないと思います。

>VR=100kΩ R2=1MΩにするのとVR=10kΩ R2=100kΩにするのは同じか
同じではないようです。

トランジスタのベース電流が0なら、ベース電圧はVRとR2の比だけで決るので、ど
ちらの場合でも、VRの回転角度とベース電圧の関係は同じです。

しかし、実際にはベース電流を0.1mAくらい流さないとLEDが発光しないので、VRの
抵抗値が大きくなればなるほど、VRを右にかなり回さないと、必要なベース電流が
流れなくなるので、VRの回転角度とベース電圧の関係が変わってきます。

2SD1415Aは手元にないので実験できませんが、回路シミュレータで、VRを回したと
きのLED電流の変化を見てみました。VRが100kΩだと、VRを右にかなり回したとこ
ろで急に明るくなりますが、VRを小さくすると滑らかに光るようになっています。

ただし、VRが10kΩの場合、R2が大きいとき、VRを絞り切ってもLEDが弱く発光して
しまうので、R2を調整する必要があります。

昨日の投稿で「R2を22kΩ、47kΩ、100kΩと変えてみて、いい具合になる抵抗を探
してみてください」と書いたのはこのためです。

Re: LEDの調光回路について - mako

2013/09/18 (Wed) 14:17

inara1様

こんにちは。

ご教授いただいたとおりVRを10kΩに変更したところ症状は改善しました。R2は33k
Ωがちょうどよかったです。
ご教授いただきありがとうございました。

また質問で恐縮ですが、以下、教えていただけると助かります。

 2SD1415A → TIP102
 NJM431A → TL431ILP
現在の調光回路で使っている部品ですが、上記のように変更しても問題はないで
しょうか。
データシートを見る限り、問題ないと考えていますが、いまいち
自信がなく、質問したしだいです。
最終的には、入手してテストをしなければと考えていますが
もし、動作や特性が今と変わってしまうなど、お気づきの点が
ありましたら教えていただけると助かります。
TL431
http://docs-asia.electrocomponents.com/webdocs/0025/0900766b80025a9e.pdf
TIP102
http://docs-asia.electrocomponents.com/webdocs/048d/0900766b8048d410.pdf

Re: LEDの調光回路について - inara1

2013/09/18 (Wed) 18:23

調光具合が改善されて良かったです。


データシートを見ると、2SA1415AとTIP102は最大定格がほとんど同じで、内蔵抵抗も同じなので、TIP102を使っても問題ありません。

TL431とNJM431は内部回路が同じ互換品なので、これも問題ありません。

TL431ILPのIは産業用(動作温度範囲が民生品より広い)、LPは3本足のかまぼこ型パッケージの意味です。