秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ

光束と明るさについて - inara1

2013/06/02 (Sun) 08:55

私は以前、LED素子の開発をやっていたので、明るさの話は専門ですが、あまり難
しい話にならないように説明します。

>300lmのLED電球と18lm×17個=306lmは同じ明るさと思ってよいのでしょうか?
光束というのは、LEDから外部に出ている光の量を表したものですから、複数のLED
を光らせたときの全体の光束は「18lm×個数」になります。

光束のlm(ルーメン)というのは、電球や蛍光灯のW(ワット)と同じ意味だと考
えていいです。大雑把ですが、10Wの(白熱)電球は15lmの光を出し、10Wの蛍光灯
の150lmの光を出し、10Wの白色LEDは120lmの光を出します。照明の種類によって、
同じワット数でも出てくる光の量は違いますが、ワット数を2倍にすれば(照明の
数を2倍にすれば)、出てくる光の量(光束)も2倍になります。

ちなみに、lm数をW数で割ったのがその照明の発光効率(lm/W)になります。蛍光灯
は 150 lm/W、白色LEDは 120 lm/W、電球は 15 lm/W くらいです。この数値が高い
ほど効率が良い(発熱が少ない)ことになります。電気エネルギーが全て白色の光
に変わったときの発光効率は 500 lm/W くらいなので、蛍光灯ですら、電気エネル
ギーの20%くらいしか光になっていません(残りの80%は熱になっている)。LEDも
蛍光灯と同等の効率なので、LEDも決して省エネではありません(まだ4倍明るくで
きる余地があります)。

光束と明るさは違います。
LEDの前方に紙を置いて、紙を近づけたときと離したときで紙の明るさが違います
が、これは光が当たる面積が違うからです。明るさ(照度)というのは、面積あた
りどれくらいの光束が当たっているかを表わしたものになります。したがって、距
離が遠くなると、光の当たる面積が増えるので明るさは減りますが、同じ距離で
も、その照明がどの方向にどれくらいの強さで光っているか(指向特性)によって
明るさが変わってきます。

電球や蛍光灯は、どの方向でもほぼ均一に光っていますが、LEDは後方には光は出
ませんし、横方向にもほとんど光が出ません。さらに、砲弾型のLEDのように、前
方がレンズ状になっていて、光を前方に集めているもの(指向特性が鋭い)があり
ます。そういうLEDでは、正面だけが明るく、そこから外れると急に暗くなってい
くので、同じ光束のLEDを置いて、そこから同じ距離に紙を置いても、指向特性が
鋭いLEDほど正面が明るくなります。

したがって、マグライトなど、狭い方向を明るく照らす用途には指向特性が鋭い
LEDを使います。ランタンなど、広い範囲を照らすには、指向特性が広いLEDを使い
ます。18lmのLED(NSPLR60CS-K1)の指向特性が、データシート
(http://www.nichia.co.jp/specification/jp/product/led/NSPLR60CS-K1.pdf)
のPDF11ページに出ていますが、このLEDの指向特性は非常に広いタイプなので、ラ
ンタン用途に向いています。ただし、このタイプのLEDは広い方向に光を出してい
るので、同じ光束の指向特性が鋭いLEDよりも暗くなります。

指向特性の広いLEDを複数並べたときの明るさ(照度)は、LEDの個数倍になると考
えていいです。ただし、LEDの間隔より充分遠い距離での明るさです。

ここ
(http://bbs3.fc2.com//bbs/img/_454800/454703/full/454703_1369792489.jpg)
のように、円柱の側面上にLEDを並べた場合、後方にあるLEDの光は前方には来ませ
んから、照らされた面の明るさは個数倍にはなりませんが、LED数を倍にすれば明
るさは倍になります。