秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ

ノッチフィルタのシミュレーションでの注意点 - inara1

2012/08/12 (Sun) 12:21

フィルタの計算ページ(http://sim.okawa-denshi.jp/TwinTCRkeisan.htm)はよく
使ってます(便利ですね)。このサイトで計算されるコンデンサや抵抗の値は、仕
様の特性に最も近くなるようなの組み合わせを、E6系列~E24系列の中から選択す
るものなので、中心周波数などはぴったり仕様通りにはなりません。ローパスやハ
イパスフィルタでは、カットオフ周波数が少しずれても構わないことが多いので、
市販の固定抵抗やコンデンサを使って無調整で作りたい場合はそのほうが便利で
す。しかし、ノッチフィルタの場合は、中心周波数を厳密に合わせたいことが多い
ので、その計算サイトでだいたいの値を知ったら、回路シミュレーションで、どこ
かの抵抗値を変えてみて、望みの特性になるように調整したほうがいいです。

添付図は、chy_farmさんが作製されたUAF42を使った50Hzノッチフィルタの、
8pin-13pin間の抵抗値を変えたときの周波数特性を、LT-Spiceで計算したもので
す。chy_farmさんの回路図にあるように、R=3.18MΩくらいのときに、中心周波
数がちょうど50Hzになりますが、実際の回路では、他の抵抗値に誤差があるので、
Rをきっちり3.18MΩに合わせても、中心周波数は50Hzぴったりにはなりません。現
実には、50Hzの信号を印加したときにRの値を3.18MΩを中心に10%程度変えてみ
て、出力信号強度が最低となるように調整する方法とします。

>ノッチフィルタがTINAでのシミュレーションと実際の減衰の底の数値が一致しな

ノッチフィルタのように、減衰特性が鋭い(谷が深い)ものは、周波数特性をシ
ミュレーションするとき、計算ステップを細かくしないと、谷底を飛ばしてして計
算してしまう恐れがあります。添付図の下の2つの周波数特性は、40Hzから60Hzま
での計算ステップを、100とした場合と1000とした場合の違いです。ステップ数が
100と小さい場合、最低値をスキップしてしまっているために、最低利得が-60dB以
下にはならず、また最低利得の値もRによってばらついていることが分かります。
ステップ数を1000とした場合は、最低利得は-60dBより小さくなっていて、最低利
得の値のばらつきも小さくなっています。