秋月ファンクラブ掲示板 過去ログ
のこぎり波に重畳した正弦波を抽出する回路 - inara1
2012/08/11 (Sat) 17:24
バッファ(U1)と、カットオフ周波数が1kHzの2次の多重帰還型ハイパスフィルタ
(U2)と、カットオフ周波数が10kHzの2次の多重帰還型ローパスフィルタ(U3)、コ
ンパレータ(U4)から成ります。出力1(out1)には、フィルタで抽出された正弦
波が出力され、出力2(out2)にはTTLレベルの信号が出力されます。
TTLレベルの出力を得るために電源電圧は5V(単電源)としました。このため、オ
ペアンプ(TL071)の動作点(入力信号がないときの出力電圧)を2.5Vとしていま
す。この電圧は、R10とR11の抵抗分割で作っています。U1はバッファ、U2とU3で
1kHz~10kHzのバンドパスフィルタになっています(透過域の電圧利得は40dB)。
U4はコンパレータです。U4の比較電圧は可変抵抗(VR)で調整できるようにしてい
ます。比較電圧を2.5Vに固定してしまうと、U3のオフセット電圧によって、正弦波
の振幅が小さいときに、コンパレータで信号を引っ掛けられなくなくなるためで
す。正弦波の振幅を小さくしたときにTTL出力(out2)に信号が出てくるようにVR
を調整してください。
TL071は出力フルスイングタイプのオペアンプではないので、出力電圧範囲は1.5V
~3.5V程度になります。したがって、正弦波の振幅が20mVppより大きいとU3の出力
は飽和してしまいます。しかし出力が飽和しても振幅が1.5V~3.5Vになるだけで、
後のコンパレータの動作に支障がないので、フィルタの電圧利得は固定にしていま
す。利得をもっと大きくしたいときは、初段のバッファ(U1)に利得を持たせると
いいです。
sano_1815s9akさんの回答にあるように、この方式では、のこぎり波に含まれる
1kHz~10kHzの高調波成分は除去できないので、のこぎり波の立ち下がり部分に重
畳している正弦波をうまく抽出することができず、この部分の信号が欠落してしま
います。この部分を除けば、正弦波の振幅が0.5mVpp以上の広い振幅範囲で動作し
ます。